★就職面接では準備がとても大切

日本話し方センターのベーシックコースは、ほぼ毎回、大学生の受講生がいます。ゼミの発表の場であがらずに話したいという人もいますが、やはり就職面接であがらずに話ができるようになりたいという人がほとんどです。ベーシックコースは人前であがらずに堂々と話しができるようになることを目標の一つに掲げています。従って、受講した多くの就活生が見事にインターン合格や就職内定を勝ち取っています。話は事前の準備がとても大切です。就職面接も例外ではありません。では、就職面接ではどういう準備をすべきなのでしょうか。受講生のＹさんの例を紹介しながら解説します。

★自分の考えを上手く言葉にできないＹさん

Ｙさんは大学３年生でインターンなどの面接を経験していますが、なかなか受からないとのことでした。まず手始めに、Ｙさんに「自分はどういう人だと思っていますか？」という質問をしたところ、しばらく黙ってから「真面目だと思いますが、あれこれ思い悩んでなかなか行動できないところがあります」と答えてくれました。
その後、しばらく色々と質問する中で、２年生の時に中国に留学しようとしていたが事情があって断念したという話が出ました。「どうして中国に留学しようと思ったのですか？」という私の質問にＹさんは「色々な価値観を持っている人と話をするのが好きだし、特に経済成長下にある中国の人にとても興味がありました。日本にいてもネットで情報は取れますが、現地に住んで直接その国の人と接して様々なことを理解したいと思ったんです」と答えてくれました。
これを聞いて私は「なるほど。これならＹさんは面接で上手く話せるようになってもらえるな」と思いました。Ｙさんは自分の考えをしっかり持っているのがわかったからです。しかし、残念ながらその考えを上手く自分の言葉にして話せていません。Ｙさんのこの課題を解決するために私は幾つかアドバイスをしました。

★自分の特徴を言葉にまとめる

私が行ったアドバイスの１つ目は「自分がどういう人か、その特徴をきちんと言葉でまとめる」ことです。
どういう人か、は言い換えると、『自分は何に興味があるのか』『何を大切に思っているのか』『何が許せないのか』『グループの中でどういう役割を果たすのか』などです。
多くの就活生は面接準備として想定問答を作ってそれを丸暗記しようとしているようですが、私は絶対にお勧めしません。想定外のことを質問された場合に適切に答えることができないからです。どんな質問をされても自信を持って答えるためには、自分の特徴をしっかりと把握しておかねばなりません。そのためには上のようなことを言葉で話せるようにしておくことが絶対に必要なのです。

上に述べたように、残念ながらＹさんは私の「どういう人ですか？」という質問に、すぐには私が納得できる答えは返してくれませんでした。しかし、その後の留学に関する話から、『好奇心が旺盛であること』『事実を自分で直接確認するという姿勢があること』『行動力があること』などがわかりました。自分では気付けていなかった特徴が、留学の質問の答えに表れていたのです。しかしＹさんは留学に関する話をした後も、自分の言葉の中に上に書いたような特徴が表れているとは気付いていませんでした。この時、Ｙさんは自分の特徴は何かという問題意識を持たずに話していたからです。「自分の特徴は何か」という問題意識を持って常に自問自答することで、徐々に自分の本質を明らかにすることができます。Ｙさんにはそれを実行するようアドバイスしました。

★ポジティブに解釈する

アドバイスの２つ目は「ポジティブに解釈する」ということです。
最初に私がＹさんにどういう人だと思うか問いかけた際、「あれこれ思い悩んでなかなか行動できない」という表現が気になりました。自分をネガティブに解釈しているなと感じたのです。
『あれこれ思い悩んでなかなか行動できない』は、『慎重に検討してから行動するタイプです。時に慎重になりすぎることがあるのでどこかで割り切って決断を早くすることが今後の課題だと思っています』と言えば、聞き手の印象はかなり違ってきます。これは『言葉選び』の問題ではなく物事をどう捉えるかという『解釈』の問題です。Ｙさんには自分の性格や過去の行動をポジティブに解釈することをアドバイスしました。

★あらゆる場面で役に立つ話し方を学びましょう！

その後、Ｙさんは私のアドバイスを実践し、見事に幾つかの会社のインターンに合格されました。今回、私がＹさんにアドバイスしたことは何れもベーシックコースでお伝えしていることを応用したものです。このコースで学んでいただいたことは日常のあらゆる場面で応用できます。もちろん就職面接や昇格面接でも役立つことばかりです。ぜひ一度無料体験教室に参加して、実際の様子をお確かめください。